八木さん家の5人兄弟。


「巧くん・・・」


 キッパリとした声を放ったのは巧くん。


 巧くんもイスから降りると、私の方へ歩み寄る。


 そして、空いたほうの私の手をスっととった。



「雪。好きだ」

「え・・・」

「シスコンとかじゃなくて、純粋に。1人の女の子として・・・雪が好き」

「巧・・・くん」


 右手は翔ちゃん。


 左手は巧くん。


 ますます逃げ場がなくなった。



 ていうか、この状況は何。


 何でいきなり逆ハー状態!?





 ていうか、この状況どうしよう。


 どう切り抜けよう。




「お前ら2人だけズルイ。オレだって狙ってたのに」

「お兄ちゃんっ」


 手に空きがないので、後ろからガバっと抱きついてきたのはお兄ちゃん。

 耳元に、フっとお兄ちゃんの吐息がかかる。


「オレだって、雪狙ってたんだけど」



 もう、色んな意味で死にそう。


 何、これ。

 どういう状況!?


 どこの乙女ゲーム!?


「おい」