八木さん家の5人兄弟。


「あ・・・・・・」

 巧さんが一瞬、無防備な顔を見せた。

 そして、撫でる手をとめてパっとそっぽを向く。


「巧。何妹にときめいてんだよ」

 小夏さんのイジワルそうな声が聞こえて、巧さんは焦った様子。

「ち、違っ・・・」

「まぁ、いいか。なんでも」

「それよりさぁ・・・オレらは雪って呼んでいいの?」

 翔さんが、重要らしいことを真顔で私に聞いてくる。

 そんな・・・大切なこと?

 皆いきなり呼び捨てだから、もう慣れちゃってるんだけど・・・。


「はい。いいですよ」

「じゃ、雪はオレらを何って呼んでくれる?」

「え?」

「だって、兄妹なのにさんづけとか。おかしいだろ」

「そうですね・・・じゃぁ」

 ちょっと頭を整理。

 えと・・・悠斗さんが、お兄ちゃん。

 巧さんは・・・巧くん?

 恭介さんは・・・恭介くん?

 いや・・・恭ちゃんの方がいい?

 翔さんは・・・翔ちゃん?

 で、小夏さんは・・・小夏くん?


 くんとちゃんがゴチャ混ぜ状態。

 多分、パっと見の人柄で脳が勝手に決めてしまった。


「えっと・・・悠斗さんは・・・お兄ちゃん」

「ん」

「巧さんは・・・巧くん」

「了解」

「恭介さんが・・・・・・恭ちゃん」

「は?」

 明らか不満そうな声が返ってきた。

 わー殴られそう殴られそう。

 だけど、これ以上口を出すのも怖いのでここでスルーしておこう。