八木さん家の5人兄弟。


 徒歩5分の道を、小夏くんと肩を並べて歩く。

 と言っても、私と小夏くんじゃ身長差があるから・・・肩を並べてるとは言わないかもしれない。


「寒くなってきたね」

「そうだな」

「息がはーってしたら白かったよ。明日からはマフラー巻いてくる」

 私は、冷えた指先にはー、と息を吹きかける。

 一瞬だけど、少し暖かい。

 ていうか、手袋も必要だなぁ・・・。


「手」

「え?」

「・・・っ」

 小夏くんは、私の右手を強引にグっと握って自分のブレザーのポケットにつっこんだ。
 
「まだマシ?」

「・・・暖かい」

「そりゃ、どーも」


 ブレザーの中で、強引握られた手が。

 何だか嬉しかった。

 暖かかった。


 小夏くんってこんな優しかったっけ?