八木さん家の5人兄弟。


「何驚いてんの? オレなんだけど」

「小夏くん・・・?」

 おそるおそる後ろを振り向くと、見慣れた小夏くんの顔。

「何でアンタ、今日はこんな時間に帰り?」

「・・・友達と寄り道してて・・・・・・」

「暗いだろ。危ないとか思わなかったのかよ」

「・・・・・・ごめんなさい」

「!? 何で泣くわけ?」

 小夏くんに叱られたことで、危ないという状況を確認させられて。

 それで、小夏くんに会えた安心感がたまらなく溢れ出した。

 泣くぐらいに。

 
 そして、子供みたいに泣いてしまった。


「・・・小夏くんが、来てくれて・・・よかった」

 見慣れた小夏くんのブレザーのすそを、キュっと握った。

 そして、小夏くんがいる安心感を噛み締める。

 やっぱり・・・甘えなきゃ生きていけないかも、私。


「遅くなるときは、オレに電話しろ。迎えに行くから」

「・・・迷惑でしょ?」

「別に。ま、オレ・・・部活長引いて行けないときもあるかもだけど・・・。最優先でオレに頼れ」

「いいの?」

 そんな私の不安気な言葉に、小夏くんは口元をゆるめてフっと笑った。


「オレが頼れって言ってんだから。大人しく甘えて」

「甘えていいの?」

「・・・甘えて欲しい」

「ありがと」

 その言葉で、甘えてOKと、脳が指示を出す。

 多分ダメ。

 とかここで言われてたら、落ち込みすぎてたな私。


 私・・・甘えるのが習慣みたいになってる。



「オレが行けないときは・・・巧か悠斗な。翔は無理」

「わかった・・・」

 私の返事に、小夏くんは少し悔しそうな顔をした。


「・・・本当はオレ以外に頼られるのとか腹立つけどな」