八木さん家の5人兄弟。


「皆。雪が来たよ」

「・・・は、はじめまして」

 テーブルを囲むように、ぐるっと座っている男の人たち。

 お兄ちゃんと、巧さんと、翔さんを抜いて・・・見たことない人が2人。

「じゃ・・・雪は、巧の隣に座って」

「はい」

 私は、巧さんの隣。

 翔さんの正面というポジションに腰を降ろす。

 何か・・・男の人に囲まれるのって緊張する。


 いや、この人たちはみんなお兄さん、お兄さん。

 と、自分に暗示をかける。


「じゃ・・・皆。自己紹介してって。・・・最初は、オレからね」

 お兄ちゃんはコホンと咳払いを1つして、改まったようにしゃべりだす。

「オレは悠斗。年は24。職業は・・・美容師」

「美容師さんなんですか・・・すごいですね」

「ん? そう? ありがと。じゃ・・・次、巧」


 私の隣の巧さんが、お茶を飲む手を止めて改まった様子になる。

「オレは巧。年は22。音楽専門の学校に通ってて、バンド組んだりしてる」

「何が・・・演奏できるんですか?」

「ん? オレはねー・・・ギターが出来るけど。バンドの中じゃボーカル」

「いつか・・・聞きたいです」

「わかった。じゃぁ、雪のために特別ライブ開いてあげる」

 いきなり頭をくしゃっと撫でられて焦ったが、この人はお兄さんお兄さんと暗示をかける。

 そう考えると大きな手は、なんだかすごく心地いい。


「って・・・あー。ごめん、自己紹介中断させちゃったね。じゃ、次は恭介」

 初めて聞いた名前にドクンと心臓がなる。

 私の向かい側の右・・・翔さんの右の人が話し出す。


「名前は恭介。年は20。職業はモデル」

 ぶっきらぼうなしゃべり方で、淡々としている。

 少し長めの黒髪、耳と首元についたアクセサリーがちょっとチャラチャラした感じを思わせるが・・・無愛想な顔がそれをぶち壊しにしている。

 モデルなのに無愛想なんだ・・・。


 でも、モデルというだけあってカッコイイ。

 肌が、私より白いのが・・・少し腹立つけど。


「じゃぁ・・・次。翔」