いきなり呼び捨てで呼ばれて、少し戸惑ってしまう。
そんな、今日から兄妹だけど・・・。
だけど、男の人にいきなり呼び捨ては・・・驚くし・・・・・・照れる。
「あ・・・呼び捨てイヤだった?」
私の様子に気づいたのか、悠斗さんは少し失敗したなー・・みたいな顔をしている。
「あ、違います。・・・その、少し驚いただけです」
おどおどと話して訂正。
私の返事に安心したのか、悠斗さんはフっと笑う。
「よかった。オレのことは・・・悠斗でもいいし。・・・・・・お兄ちゃんでもいいから」
遠慮気味に言われたお兄ちゃんという単語。
悠斗さんは、また・・・失敗したなぁ。
みたいな顔をして、次は顔を手で覆って恥ずかしがっている様子。
お兄ちゃんという単語で、私とこの人は兄妹なんだなぁ・・・って確信させられる。
・・・よし。
「悠斗・・・おにい、ちゃん」
「・・・・・・何か、新鮮な感じ。弟は皆・・・悠斗としか呼ばないから」
「じゃぁ、私が言います。悠斗お兄ちゃん・・・じゃ、長いから。お兄ちゃん、だけでいいですか?」
「お兄ちゃんは、オレだけじゃないよ。巧だってお兄ちゃんじゃない」
「あっ・・・そっか。えと・・・」
「じゃ、オレだけお兄ちゃんって呼んで。後は呼び捨てとかくんづけとかで・・・」
「はい。お兄ちゃん」
お兄ちゃんは、照れたように髪をぐしゃとしている。
照れを押し殺したような目は、どこかそっぽを向いていて、頬はほんのりと赤い。
あ・・・照れてるんだな。
お兄ちゃんは大人っぽいって感じてたけど、可愛いとこもあるんだぁ。
「何、笑ってんの」
「えっ、笑ってましたか?」
「けっこうな」
「す、すいませんっ」
「謝るほどじゃないけど。じゃ、夜ご飯出来たら適当に呼ぶから・・・それまで荷物の整理とかしといて」
お兄ちゃんは時計をチラっと見て、私にそう告げる。
時計は4時を指している。
私は、自分の部屋につまれた大量のダンボールを思い浮かべて、夜ご飯までに終わるか心配していた。

