八木さん家の5人兄弟。


「ゆうー・・・と!?」

「どうした巧。おかしな声出して」

 悠斗さんの後ろのドアから登場してきたのは、悠斗さんと年の近そうな人。

 印象的なのは大きなサングラス。

 耳にはシルバーピアス。

 考えようによってはヤクザだ。


「何その可愛い子! あ、前に言ってたお父さんの親友の娘さん?」

「そう・・・杏子雪ちゃん」

「杏子雪? どっちも名前みたいだね」

 笑うたびにのぞく八重歯が可愛いので、ヤクザではなさそうだ。

 兄弟って似るのかな・・・悠斗さんと同じこと言ってる。

 思わずくすっと笑ってしまった。



「雪・・・でいい? ていうか、妹になるんだから・・・ちゃんづけってのもね。オレは巧。次男だよ」

「えと・・・巧さん、よろしく」

 差し出されたてをギュっと握る。

 巧さんはまたニカっと笑った。

「サングラスしてるけど、ヤクザとかじゃないからね。日差しよけ」

「えっ・・・あぁ、はい」

 そんなことを指摘され、ちょっと恥ずかしくなった。

 思ってたことを正された感じ。

 心の中を見られてるみたい。


 私は思わず、視線を下へ落としてしまった。



「じゃ、悠斗。行ってきまーす」

 ヒラヒラと手を振って、陽気に出て行く巧さん。

 その後姿をボーっと見て、あ、身長高いんだな。

 なんて思っていた。


 ヤクザじゃないし・・・八重歯が可愛くてよく笑う、いい人っぽいかな。

 不安が少し減る。



「巧はねー・・・って、いいか。夜ご飯になったら兄弟皆集まるから、その時にちゃんと自己紹介させるね」

「はいっ」

「あ、雪ちゃ・・・。いや、雪も、ちゃんと自己紹介してね」