八木さん家の5人兄弟。


「翔くーん!! 小夏くーん!!」

「げっ・・・」

 私の隣で小夏くんが変な声をあげた。

 目の前には大量の女子、女子、女子。

 皆、小夏くんと翔ちゃんと目当て・・・?


「だからお前と一緒に学校行きたくねぇって・・・」

 横で愚痴を零す小夏くん。

「・・・いやぁ、今日は一段と数が多いようで」

「雪。ついてきて」

 小夏くんは翔ちゃんの言葉を無視して、私の手をグイっと引く。

「わっ」

 そして、元来た道を戻っていく。

 ちょっとちょっと、足が速いってば!!

 私体育2だったんだけど!!

 50m走るの10秒かかるしっ。


「お前・・・足遅っ。ほら、女子に追いつかれるじゃん」

「わっ・・・」

 後ろに大量に群がっている女の子たちは、小夏くん目当てだ。

 このままじゃ追いつかれちゃうよー。


「ちっ・・・あのさ、乗れ」

「はぃっ!?」

「おんぶすんの。お前足遅いから」

「うぅ・・・そんな遅い遅い言わないでください・・・」

「何でもいいから、早くっ」

 私は小夏くんの背中にギュっとしがみつく。

 小夏くんは私をおぶったまま全力疾走。


 感じたことないようなスピードで、風がヒュンっと私の頬をかする。

 ていうか、背中広っ、大きいっ。


 思わずしがみついた背中の広さに驚く。


 お兄ちゃんより身長低いって思ってたけど・・・やっぱり・・・男の子なんだ。