「あ・・・」
「あがった?」
お風呂をあがって出たとこで、丁度お兄ちゃんと鉢合わせる。
「今あがったところ」
「そっか・・・ん。早く、自分の部屋戻って」
「え?」
なんとなく私と目を合わせてくれないお兄ちゃんに、疑問と悲しさを感じた。
なんだろ・・・私、何かしちゃったかな。
頭にかぶせたタオルをギュゥっと握る。
「・・・あのね、今日から兄妹とか言われても・・・昨日まで赤の他人だったわけでしょ? その・・・風呂あがりとか危険だから」
「え?」
「・・・素直なこというと、その・・・何か色っぽいから・・・視線に困る」
「あっ・・・」
そんな言葉で、けっきょくは男と女だ。
なんてことを理解させられた。
私は恥ずかしくなって、タオルを握る手に力をこめた。
「えと、ごめんなさい・・・」
「謝らなくていーから、部屋・・・行って。じゃないと・・・・・・襲う」
「えぇ!?」
「嘘・・・」
「うぅ・・・」
私は小走りで自分の部屋に入った。
そして、ドライヤーで丁寧に髪を乾かしていく。
まさか・・・お兄ちゃんがあんなこと言うなんてなぁ。
襲う・・・なんて。
翔ちゃんだけのワードかと思ってた・・・。
でもそうだよね。
まだ兄妹1日目・・・。
いきなり私が妹です。
なんて言われても、いきなり実感わかないよね。
だから・・・まだ男と女って感じは抜けないよね。
私は自分の軽率な行動を少し改める。
そして明日から通う高校の制服を少し眺めて、布団にもぐりこんだ。

