八木さん家の5人兄弟。


「あ・・・」

「あがった?」

 お風呂をあがって出たとこで、丁度お兄ちゃんと鉢合わせる。

「今あがったところ」

「そっか・・・ん。早く、自分の部屋戻って」

「え?」

 なんとなく私と目を合わせてくれないお兄ちゃんに、疑問と悲しさを感じた。

 なんだろ・・・私、何かしちゃったかな。

 頭にかぶせたタオルをギュゥっと握る。


「・・・あのね、今日から兄妹とか言われても・・・昨日まで赤の他人だったわけでしょ? その・・・風呂あがりとか危険だから」

「え?」

「・・・素直なこというと、その・・・何か色っぽいから・・・視線に困る」

「あっ・・・」

 そんな言葉で、けっきょくは男と女だ。

 なんてことを理解させられた。

 私は恥ずかしくなって、タオルを握る手に力をこめた。


「えと、ごめんなさい・・・」

「謝らなくていーから、部屋・・・行って。じゃないと・・・・・・襲う」

「えぇ!?」

「嘘・・・」

「うぅ・・・」

 私は小走りで自分の部屋に入った。


 そして、ドライヤーで丁寧に髪を乾かしていく。


 まさか・・・お兄ちゃんがあんなこと言うなんてなぁ。

 襲う・・・なんて。

 翔ちゃんだけのワードかと思ってた・・・。


 でもそうだよね。

 まだ兄妹1日目・・・。

 いきなり私が妹です。

 なんて言われても、いきなり実感わかないよね。


 だから・・・まだ男と女って感じは抜けないよね。

 私は自分の軽率な行動を少し改める。


 そして明日から通う高校の制服を少し眺めて、布団にもぐりこんだ。