「千陽くん、帰ろー」



「……ああ」



「ねぇねぇ、千陽くん??」



「なんだよ」



「今週千陽くん家に泊まりに行ってもいい??」



「……べつにいいけど」



「ほんと??やったー」



なんてひとりで喜ぶ、俺の彼女。
名前は美果。



たぶん、付き合って半年くらいは経つ。
そんな美果はいつも俺にベッタリ。



今では毎日一緒にいるのが当たり前だけど。
そんな美果に俺は、1度も好きだと言ったことはない。



なんつーか、美果の前では素直になれない。
美果は毎日俺を好きだと言うけど。