GEDOU―樹守る貴公子―





 天冥は、驚愕で目を開いた。

 彼女が何を思ってそれを言ったのか、分からない。しかし、思った。



 ごめん?それは、俺に言っているのか?


 この俺に、そんなことを言われる価値があるのか?と。



 ごめんなんて、言うな。むしろ――。




 明道を一度後ろに寝かせる。


 背を向けて去ろうとした莢の腕を、見えない血で塗られたその手で掴んだ。



「えっ・・・」



 




 引き寄せ、痛いほどに莢を抱き締めた。