GEDOU―樹守る貴公子―

  


 夜刀神とは、日本の大和朝廷に仇をなした、龍神に近い妖怪とも言われている。


 自分達の土地を侵す者を滅ぼし、その土地を護ると伝えられており、現代の一説では、夜刀神の正体は『都市伝説・くねくね』なのではないかとも言われた。



 また、集団であるという説もあり「首を討ち落とす」と脅されて逃げ出したという。




「お前の呪力を感じた時から、妙に人間味の無い呪力だと思ってはいたさ」

「では、なぜ仕掛けなかった」

「お前の正体がなかなか見破れずな。集団で行動しておったはずだが、逃げ出した折に幻周ただ一匹が長生きしたと言う事であろう?人間への恨みの力でな」

「当たりだ」


 幻周が牙を剥く。

 しゅーっ、と空気の通る音がし、その目は瞳の黒い部分が細くなり、首もとの皮膚は割れて鱗が露わになり、仕舞いには頭から細く鋭利な角が突き出た。

 けけけ・・・と、蟲のような声が出そうである。



「とうとう正体を現しおったか」

「天冥っ・・・」


 明道が狼狽の色を目に浮かべた。

 ここに充満しているのは、全て幻周の呪力。

 天冥が押されてしまうのではないかと心配になった。