三河の槍使い






「嫌だな、家康殿。どんなところに隠そうとも、僕なら簡単に見つけてしまいますよ」




「いや、そういう問題じゃねぇだろ!」






源九郎は一応つっこみをいれておいた。

もっとも、そんな忠告を含めたつっこみが受け入れられることは全くないが。







「よいよい、源九郎。儂はそう思っての、ある計画を立てたのじゃ」





今度は腹を擦りながら、にやにやと家康は二人を見つめた。



そんな様子に半蔵が眉を寄せるのを源九郎は見逃さなかった。







「お前たちには、奥州に向かってもらう」




「奥州、ですか…」





「うむ」






これは別に金平糖対策の一環ではないらしい。

家康の眼は源九郎に頭突きをしたときのような雰囲気ではなく、眉間に皺を寄せて真剣に提案をしているのだとすぐにわかった。






ふと見ると、半蔵も任務中の若干険しい顔(雰囲気)を醸し出している。







「なるほど。確かに今は伊達政宗の様子を伺っておくのも一興でしょう。勢いがありますからね、彼」





半蔵はひなたぼっこばかりしているように見えるが、実は闇に紛れて夜分に行動する。



それこそ、全国を縦断する勢いで走り回っているのだ。




だからこういった他国の調査は半蔵が適しているし、熟知している。



ただ、ここで何故源九郎も起用されるのかはわからない。