三河の槍使い








────父様、私は源九郎さまのお傍に居たいです。




何故ならあの方が大切だから。


愛しいから。




彼に奥方がいるだろうことはだいたい予想がつく。


だが、あと三日間ぐらい彼に想いを馳せても罰は当たらないはず。




父様が駄目と言っても私はききません。


不孝行ものでごめんなさい。


けど、最後ぐらい自分が愛する人を見つめていてもいいでしょ?



最後、なんだから。









夫となる男を恐れ、浪人の槍使いへの想いは愛だと気付き、とよは大きく息をついた。






今日も源九郎が帰ってくるのだ。



今のうちに夕げの準備をしておこう。








すべては、
最後の愛のために…───