自らの手にすっぽりとはまってしまうくらい小さな頭と、一つに束ねた髪の感覚がその触覚にまだ余韻を残している。
無意識に彼女に触れた手で半蔵を掴まなくてよかった。
まだ、この感覚を失いたくはない。
ずっと求めていたような、恐れていたような――――――
朝の風が源九郎の短髪を揺らす。
汗一つかかなかったその身体は、夜中の空気に冷やされてしまったようだ。
源九郎は踵を返した。
「まずは風呂に入って、それから飯食って――――――」
―――――とよの笑顔を拝もうじゃねぇか。
思い出しただけでも頬が緩んでしまう。
早く帰りたいと飛び出す子どもたちと同じように、源九郎もまた浮き足で帰路を辿った。


