ひとしきりいがみ合った所で 私は首から下げているペンダントを見せた。 「なにそれ、……勾玉ってやつ?」 実絵は少し前のめりになりながら 私の手元を見て目を細めた。 それは暖かなベージュ色をしていて 小指の第一間接くらいの大きさ。 「うん。その時は子狐が首輪みたいな感じで着けてたんだけど。山に帰るときに置いていったみたい」 「首輪みたいって……。狐ってペットかなにかだったの?」 彼女の質問に、私は首を横に振る。