「で?なにを置いていったの、狐さんは」


昼休み、さっき購買で買ってきたカツサンドをかじりながら実絵(みえ)が言った。

「……信じてないでしょ」

私は早起きして作ったお弁当のふたを開けながら呟いた。


「いや、信じるもなにも。田舎でもない限り町中に狐とか出ないっしょ」

「私、小学生の時はド田舎に住んでたんですー」

彼女の若干バカにするような口調に対して、私も負けじと対抗した。