今から約10年前の
小学生だった頃

学校帰り、家の近くの公園で
傷だらけの子狐を拾ったことがある。


急いで家に連れて帰って
とりあえずばんそうこう貼ったり
包帯ぐるぐる巻いてみたりして。


最初は落ち着きのないように
不安げな顔で私を見上げていたけど
しばらくして安心したのか
丸くなって寝てしまった。


狐にしては珍しい
白い毛並みをしたその子は
しばらくすると起き上がり
裏山の方へと駆けていった。

あるものを残して。