「…いっぱいまわったねー。」 今私達は非常階段にいる。 既に空は赤く染まり始めていた。 たまに吹く冷たい風が、頬を撫でていく。 下を見れば、まだ沢山の人で溢れかえっている。 私達は一人分くらいの間隔をあけて、隣に座った。 あれから散々学校中をまわった。 何か食べたりもして。 「お前は、食ってばっかだったな」 くすっと笑う坂本。