「…ちょっと、怖かった。」 俯きながらそう言うと、凉は繋いでいないほうの手で、頭をぽんぽんとしてくれた。 「あともう少しだから頑張ろ。」 私達はまた歩き始める。 手は繋がれたまま。 私は浴衣を着てるからいつもより歩く速度が遅いのに、ペースを合わせてくれている。 凄く、罪悪感を感じる。 「…手離さなくていいの?彼女、怒っちゃうよ?」 ほんとはずっと繋いでいたい。 だけど、思ってもないことを言ってしまう。 離さなきゃいけないとわかっていながらもできない私が、一番ずるいのだけれど。