「犬苦手なの?今も怖い?」 凉の隣に座っている犬に視線を移すと、軽い動悸がした。 さっきよりかはずっとましだけど。 でも、追いかけられた記憶が蘇る。 「ちょっと…」 「そっか。怖かったよな。」 そう言って頭をぽんぽんしてくれた。 それがすごく安心した。 「じゃあ、元気出せよ!!また明日!」 「ありがとー!!また明日!」 帰るときにはもう涙は止まっていて、笑顔になっていた。