もうダメだ、 死ぬかもしれない。 そう感じた時だった。 「レノーン!!」 誰かの声がした。 振り替えると、犬はしまった、という感じでピタッと止まっていた。 声の主だろう男の子が走ってきて、 「いきなり逃げんなよ!!」 と怒った。 このとき私には、その男の子が神様の様に見えた。 男の子は犬にリードをつなぐと駆け寄ってくる。 だんだんとはっきりしてくるシルエット。 それは、見覚えのある人だった。