「未桜、好きだよ」 鼻と鼻がぶつかりそうな至近距離で言われた言葉が なかなか理解できなかった 「出会ったときから ずっとずっと、 ――――好きだった」 大好きな声は 今まで以上にどこまでも優しく ふわりとあたしを包んだ腕は 見かけによらず男らしくて 相変わらず温かかった 魔法にかけられたように 流れる涙はぴたりと止まって ようやく呼吸の仕方も 思い出してきた 口に ミルクティーの まろやかな甘みが広がった