「他にも、灰神楽と萩の2人は強いらしいですよ。あまり目立たないというか、仕事は地味なのばかりやってますけどね。」

「梔子ってやつもいたな。気分屋の。」

「その人と一回仕事一緒にやりましたけど、めんどくさがって仕事してくれませんでした。」

腕は確かなのに残念ですよね、と閏は言う。

「相手も俺らの実力は知ってるから手を組んでくるだろうな。」

厄介だな、なんて雪はのんびりと言う。

閏はなんでそんなにのんびりとしてられるのか不思議だった。
どう考えてもこの状況は自分たちにとって不利すぎる。

「誰か一人でもいいから仲間にしましょうか。」

閏がそう提案しても雪は首を縦には振らなかった。

そのかわりに閏のポケットに入っていた携帯が鳴る。
恐る恐る取り出して表示された名前を見た瞬間血の気が失せた。

「椿か?」

雪の質問には頷くことしか出来なかった。