今日は裏門から帰るか。遠回りだけど。 『ごめんね、急に』 「ううん。何となく分かったから」 そう言ってにこりと笑う琴音。 さて…じゃあ、家にでも帰りますか。 「ねぇ、稚里」 『ん?』 「1つだけ、聞いていい?」 『どうぞ』 あたしが笑うと、琴音は少し笑みを消した。 「あの“あなた達のような族”…って、あたしの解釈だと“あたたかい”って意味に聞こえたんだけど…」 『……、』 そう、その通りだよ。 どうして、琴音には分かっちゃうんだろうね…。