コウガは写真家として、シキは死体を見慣れているモノとして、写真に写っているのは本物の死体だということは分かっていた。

分からないのは、何故このサイトに死体の写真が載ったかということだ。

「死体って『美しいモノ』かな?」

イスの背もたれに寄りかかり、コウガは肩を竦めた。

「価値観など、人それぞれだろう」

そう言ってシキは興味なさそうに、タオルで頭を拭き始めた。

「まあそうだね。…この件、マカは絡むと思う?」

コウガは意味ありげに微笑み、シキに視線を向けた。

シキは少しの間考え、首を横に振る。

「ないな。同属が関わっていないし、アイツの関係者の関わることでもなさそうだ。マカは基本的に人間のすることに興味も関心もないからな」

「シビアだけど正しいな。人のすることは理解できないものが多いけど、だからと言って分かろうとしてもムダに終わることが多いし」

「俺はお前の方がシビアだと思うがな」