明日は週末、ナツキは久しぶりに写真を撮りに行こうと思った。

ここしばらく撮るのを止めていたが、そろそろ撮りたい気持ちが出てきた。

まだ陽が高いうちで、人がいる所ならば大丈夫だろう。

ナツキはケータイ電話を充電し、翌日一人で家を出た。

空は快晴、絶好の写真日和だ。

ナツキは近所の公園や川原など、人がいる所を巡った。

「…あれ? タカシナ先生?」

ふと川原で座っている人物に見覚えがあり、声をかけた。

「ナツキか? 一人なのか?」

「はい…。先生こそお一人ですか?」

草原に座っていたタカシナは、ナツキを見て眼を丸くした。

「ああ、気分転換にな。しかし感心できないな。今は一人で出歩くのは禁止されているだろう?」

「昼間で人の多い所ならと思ったんですけど…ダメですか?」

ナツキが苦笑すると、タカシナは少し考えた後、首を横に振った。

「悪い。お前にも気分転換は必要だよな」