…―それから一ヶ月がたった。




あれから嫌がらせとか、特に心配することもなく、また普通の生活をおくれていた。





変わったことといえば、異様に紀田くんが私にチョッカイを出しに来るようになったのと、早瀬先輩と仲良くやれていること…。




まぁ紀田くんはいいとして、早瀬先輩と仲良くなるなんて前の私じゃ思ってもいなかったことだろう…。




今はもう普通に先輩の友達として明るく元気に接してる。




何だか早瀬先輩と打ち解けられて嬉しいな!












「あ、今日みんなでカラオケいかないか?」




冬が近づいてきて少し肌寒いのにも関わらず、私たちは屋上でお弁当を広げて食べていた。




すると、突然紀田くんがカラオケに行こうと言い出した。




「え、カラオケ?」




「そっ!
先週はテストだったわけだし、息抜きついでに行こうぜ!」




「カラオケか…確かにいいかもな」




腕組みをしながら考える先輩。




すると




「じゃぁ、私が取って置きのいいお店に招待してあげる!」




早瀬先輩が手を上げて嬉しそうに言った。




「でも俺、カラオケ行ったことない…」





お弁当をつつきながらボソッと隣で佳が呟く。




あ、そっか。




佳は1度も行ったことないんだっけ?