- ガチャ -
薄暗く気持ち悪い室内
『……。』
室内は前来た時と変わらず
十字架にキリストの像
まじないをする時に
使われそうな魔法陣の絵画
そして
沢山の
フランス人形が置いてある
窓際の前にある椅子に座る由佳
「誰だ?」
窓の
外を見ていた由佳は
ゆっくりと振り返り
目を細くして結城を見る
『由佳サン、お久しぶりです』
「久々の来客かと思えば、またアンタかい…」
真っ白な髪をかきあげ
ため息を吐いた由佳は
俺から視線を反らす
『由佳サン、ノートありがとうございま…』
「用件はそのノートを返しに来ただけじゃないんだろ?」
『由佳サン、あの…』
「来ると思ってたよ」
『……。』
俺が此処に来た理由
もしかして由佳は気付いてるのか?
座っていた椅子から
立ち上がった由佳は
ベッドの枕元にある
引き出しを開けると
真っ直ぐ
俺を見て
自分の右手を差し出す
「ノート」
『え…』
「返してくれるんじゃなかったのかい?」
『あ、すみません…』
由佳の言葉に慌てて結城はノートを手渡す


