「え… 」



『…助けられなかった』



「……。」



俺の話を聞き黙り込む達也



『加奈チャンの様子は?』



「……。」



『ごめん』



「結城?」



『加奈チャンと達也を巻き込んだ…でももう安心して。達也に電話もしないし関わらない、巻き込まないから』



「でも巻き込まないって1人でどうするつも…」



結城は
達也の言葉を聞かず電話を切る



そりゃあ眠り続けている
加奈チャンの様子も気になるけど



今後一切関わらない



それが達也と加奈チャンにとって



危ない目に合わせない
一番良い方法だよな?



そんな事を
考えながら



俺は空き家になっている
萌チャンの家を見つめる



『……。』



今俺がこの家に
入ったとしても



きっと何も出来ない



『何か…何か… 悪霊を退治出来るヒントになる物でもあれば…』



" 次はばばあ "



ふと亜由美が言った
あの言葉を思い出す



『もしかしてあの人なら何か知ってるかもしれない…』



迷った結果



俺は家の中も線路にも戻らず



そのまま
佳代の妹がいる施設へ向かった