『千紘…美希チャン…嘘だろ…?』



大切な友達と
友達の妹の友達が死んだ



理解したくない



そんな光景を目の前に
結城はその場に座り込む



その瞬間



ブーブーブー♪



手に握った携帯が振動を立てる



『……。』



電話の相手は非通知



俺は力の入らない手で
携帯の通話ボタンを押す



アンタノセイデ



アンタノセイデ



ヨケイナコトスルカラ



ジャマスル カラ



アンタノセイ
トモダチヲコロシタ



ヒトゴロシ



ヒトゴロシ



ギャハハ、ギャハハ



『……。』



電話の相手は恐らく明日香だけど



今の俺には


電話の相手が一体誰なのか
電話の相手が何を言おうが



どうでもいい



ダカラ イッテル



ホットイテ



考えられない



アンタノセイデ



オネガイ カカワラナイデ



クスクス



クスクスクスクス…



言い返す力すらない俺は
携帯から聞こえる声を無言で聞いていた