『……。』



切れた携帯片手にコンビニを出た結城は



慌てて


千紘が居るだろう
踏み切りへ向かう



カンカンカンカン…



音を立てゆっくり閉まる踏み切り



千紘は?



踏み切りの近くへ来て
辺りを見回し俺が見た光景



それは



踏み切りから少し離れた
線路のど真ん中に立って



話しの内容までは解らないが



怒鳴る千紘の姿と、気付いてないのか?
千紘の背後に立っている美希の姿。



踏み切り付近では人だかりが出来て
千紘と美希の事を心配そうに見つめる



ただただ見てるだけで誰も
助けようとする気配はない



そんな中



踏み切りの前まで来た俺は
大声で千紘を呼んでみる。



『千紘、そんな所で何やってんだよ!』



千紘の耳に俺の声が届いてない上



背後に居る
美希の事にも何も触れず



目の前に居る目に見えない何かと
必死で話しをしている様子…



「そんな所に居ても何もならない、危ないからって言ってんだろ!」



『千紘、誰と話して…』



「どうしちゃったんだよ結城… お前が自殺したいなんて…突然どうして、呪いはどうすんだよ!」