「明日香チャン…悪いけど関係大あり。どれだけの人間が死んだと思ってんの?」
グズッ
グズッ…
千紘の言葉を聞いた明日香は
グズッ
グズッ
笑い声?いや違う
鼻をすすり涙を流す様な声が
受話器から聞こえて来ていた
「明日香チ…」
ジャマスル ヤツハ ハイジョ
突然
受話器から聞こえた
明日香とはまた違う
低い女の声に驚き
慌てて携帯を耳から離す千紘
『千紘…?』
「結城…これ見ろよ…」
無言状態の電話から
浮かび上がる女の顔
浮かび上がって来たのは
俺が知ってる女の顔で..
「結城…」
違うと解っていても
俺は思わず
『萌チャン…』
愛していた女の名前を呼んだ
俺が名前を呼んだ途端
浮かび上がった女の表情は歪み
何かを言って
直ぐに消えた
「は?次はばばあ?」
次はばばあ… ふざけてる…
亜由美は
自分が生き返る為に萌の体を奪った
どうして
どうして
自分と近い
血縁に選ばれたのが
萌チャンなんだよ?
自分の魂との
馴染みがいいからって
俺の愛した女だった
どうして萌チャンを
『……。』
大切な人を失った
まだ吹っ切れてないんだろう
思い出すだけで胸の傷が疼く
「最後に亜由美が言った言葉は次はばばあ…どういう意味だ?…とにかく早く達也の家行くぞ!美希チャンも探すんだ」


