ブログ女 ーAyu Official Blogー 2



結城の視界に入ったのは
何の替わりもないただのトイレ



『気にし過ぎかな…』



力なく微笑み
ため息を吐いた結城は



トイレのドアを閉め



洗面台がある方に
ふと視線を向けた



その瞬間



『……。』



ボサボサの長い黒髪



そして



充血した目を見開き
真っ黒なワンピースを着た女が



数センチだけ開いたドアの隙間から..



『う、う…嘘だろ…』



鏡越しに結城を見ていて
も、もしかして亜由美?



違う?



顔が見えないから解らない



俺はドアの方を一切見ず
慌ててトイレを飛び出した