結城の視界に入ったのは
何の替わりもないただのトイレ
『気にし過ぎかな…』
力なく微笑み
ため息を吐いた結城は
トイレのドアを閉め
洗面台がある方に
ふと視線を向けた
その瞬間
『……。』
ボサボサの長い黒髪
そして
充血した目を見開き
真っ黒なワンピースを着た女が
数センチだけ開いたドアの隙間から..
『う、う…嘘だろ…』
鏡越しに結城を見ていて
も、もしかして亜由美?
違う?
顔が見えないから解らない
俺はドアの方を一切見ず
慌ててトイレを飛び出した
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…