「これに変な感じはないな」



『え?』



「亜由美の遺品には間違いないのかもしれないけど…100%とは言えないが強い念はそこまで入ってない」



『それじゃまた別に亜由美の念が入った遺品が残ってるって事?』



「強い怨みの渦はこのノートからは感じられない」



『……。』



「やっぱり行くべきだな」



『屋敷に…』



「遺品があるかどうかは解らなくても何もしないよりかはマシだろ?」



またあの屋敷に?



思い出すのは
底知れぬ恐怖に怪奇現象



『……。』



「大丈夫、多少は役に立つ、俺も一緒に行くから」



肩を落とし
苦笑いする



俺の肩を叩く千紘



『千紘…怖くないのかよ!?殺されかねない、あんな得体の知れない場所に簡単に行こうって…』



「こう言う不思議な力持ってると普段から色んなモノが見える。ハッキリ言って結城の言う悪霊は相当やばい奴なのかもしれない… けど慣れだよ慣れ♪常に霊が見える体質だからその霊も所詮同じだろうってな」



『お前って奴は…』



「いやいや、ここだけの話…その悪霊人を殺すだろ?殺されないかそこは怖いけど」



『お前が教えてくれた塩もそこまで効かないしな』



「とにかく!屋敷行く前にこのノート借りたばあサンに聞き込みだ。ばばあってのは頑固だから期待出来ないけど…何か教えて貰えたらラッキーだし♪」