「お邪魔します」



特別気を使う事もなく
部屋に上がった千紘は



何もない広々とした
リビングのソファーに座り



俺に手を差し出す



『は?』



「亜由美のノート」



『あ…』



「忘れんなよ。ノート見に来たんだから」



『持って来る』



「ああ」



俺は


萌チャンと以来
読んでなかった


寝室に放置したままだった
ノートを久々に手に取る。



このノートを借りたあの日から



暫く月日が経ってるからか
軽く埃が被っている様子。



「あった?」



『ああ、うん』



俺はソファーに座る千紘に呼ばれ慌てて



例の軽く埃被った
亜由美のノートを手渡した。



「……。」



『……。』



ノートを見て黙り込む千紘



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順番にページを捲って行く…



霊能力を多少持っている
千紘なら何か解るかも?



そんな期待を胸に
千紘が自分から口を開くのを待った