ブログ女 ーAyu Official Blogー 2



「貸してくれるなら安心」



『その代わり返せよ?』



「解ってるって♪」



そう言って
また携帯画面に視線を戻す千紘



『……。』



人間何か1つの事に集中してしまうと



口数が減る



「……。」



携帯を見るのに夢中になり
一言も話さない千紘を横目で見つつ



雨音と車のエンジン音以外何も音がしない
沈黙が続く車内の中で俺はラジオを付ける



雨の量は増し
さっきに比べ



強くなってる気がする



『はぁ…』



俺の口から自然と溜め息が出る



雨の日に車を
運転するのは



あまり好きじゃない



何でかって?



視界が悪くなるから


対向車のライトが反射して
ガラスも見にくくなるし。



俺はワイパーの動く速度を
" 弱 " から " 強 " に上げる。



「なぁ新…」



『えっ?』



突然



口を開いた千紘に返事を返した俺は



たまたま赤信号で車を停車させ
隣に座る千紘に視線を向けた。