公園を後にして
車を取りに行き
車に乗って俺の家に帰る帰り道
助手席に座る千紘は
加奈の携帯を見る..
「へえ~さすが女の子の携帯って感じ」
『あ、勝手に見て良いの!?』
「良いんじゃない?渡されたんだし。ほら、見ろよ?データフォルダだって可愛い画像ばっか…」
運転する俺に携帯の画面を向ける千紘
『俺、運転中!あんまり人の携帯見ない方が…』
「別にメールを見てる訳じゃないし?達也の妹自ら渡し欲しいって言ってたんだったら別にいいだろ?」
『…そう言う問題?』
「それにわざわざ携帯を渡すって事は、携帯を見ろ…って事だと俺は思うけど?」
『……。』
「そうじゃなきゃ、他人に見られたくない携帯を渡す訳がない!」
『まあ確かに…』
「だから、達也の妹が伝えたかった事を見つける為になら気兼ねなく見てもいいって事♪」
『…まあ』
萌チャンの体を取り返せるかもしれない
俺の話しを聞いて千紘は確かにそう言った。
取り返せるなら取り返したい
けど…取り返してどうする?
選択肢は1つ警察に行って罪を償わせる
俺の中でそれだけだったハズなのに…
死んだ萌チャン…
いや、亜由美の身体を見て
その選択肢が揺らぎ出す。
萌チャンは俺の命を助ける為に体を渡した。
死んだと思っていた彼女が戻って来るなら…
突然ポツポツと降り出す雨
「最悪…俺、雨降るなんて知らないから今日傘持って来てねえし」
『天気予報で明日は晴れだって言ってたし、直ぐに止むよ。傘くらいなら全然貸すし』


