公園から
出て行く
達也の後ろ姿を見送った俺達は
薄暗い公園で
溜め息を吐き
お互い顔を見合わせる
「さて、どうすっかな」
『うん…』
「とにかく、ずっと此処に居てもどうにもならないし…公園から出ようぜ」
『千紘』
「ん?」
『ありがとう、さっきは助けてくれて…』
「知り合いが死ぬのは…見たくないし。あ、そうそう…今日は新ん家泊まるから」
『え?』
「さっきお前が話してくれた亜由美のノート…良かったら俺に見せてくれないか?」
『…解った』
" 泊まる "
そう言って笑った千紘を見て内心ホッとした
男としてカッコ悪いだろうけど
実在する物に
命を狙われる
ならまだしも
相手は悪霊、怖いものは怖い
本心を言うと
今この状況で1人になりたくなかった。
「そう言えば新…車は?」
『あ、知り合いん家の近くの駐車場に置いたまま…取りに行かないと』
「まじかよ…」
" 怖い " なんて
そんな事
死んでも口には
出さないけどさ
この時の結城は
内心千紘に感謝していた


