「ちょっと待て､その悪霊は… 萌チャンだっけ？その子の身体が欲しかった…そう言ったの！？」
『…俺はずっと亜由美に騙されてたんだ』
「……｡」
『千紘？』
「萌チャンと亜由美は…母親は違うけど血の繋がった姉妹なんだよな？」
『う､うん…』
「悪霊となった霊が血縁者の人間の魂を欲しがる理由は1つ…一番近い姉妹の魂程､自分の魂に馴染ませやすい物はないからだろうな」
『ちょっと待て､どういう意味だよ？魂を馴染ませるって…』
「自分の体に一番近い血縁の人間の魂を馴染ませる事で逝く所まで行った化け物同然の強い念の悪霊は…それで綺麗な体を手に入れるんだ」
『じゃあ亜由美は…傷だらけの醜い体を捨てて綺麗な体を手に入れる為に萌チャンを…』
「多分な」
『…千紘の推理が正しいとしたら亜由美は萌チャンの体を手に入れているハズ。現に今､俺の前に居た亜由美は… 萌チャンに似た普通の人間だった。なのに亜由美はどうしてまだ人を殺し続けていると思う？目的は果たしたハズなのにどうして血を集めて…』
「俺もそれは解らない｡亜由美がどうして人を殺し続けているのか。もしかしたら別に何か目的があるのかもしれない… て、待って。体を手に入れたって言ったって事は… 新、上手くいけば萌チャンの体取り返せるぞ！！」
