ブログ女 ーAyu Official Blogー 2



「…助けて下さい」



いまいち
意味が解らず首を傾げる結城



『どうしました?』



女は俺の質問に苦笑いを浮かべ



ゆっくり
口を開く



「家に帰りたいんだけど…昨日引っ越して来た所だから道に迷っちゃって…」



『えっと…住所は?』



女はポケットから
小さな紙を出してそれを俺に見せる



「これが家の住所… 住所までまだ覚えてなくて持ち歩いてました。どこか解りますか?」



どこだったっけ?



俺もよく解らない



けど



この住所見た事がある



『時間も遅い事だし…良かったらこの住所の近くまで案内しましょうか?』



「本当に!?嬉しい♪この辺の道…うろ覚えだから帰り道実は1人で不安だったんです…」



もうすぐ日暮れ



" 良かったぁ "と胸をなで下ろす
萌チャンに似た女に対し結城は優しく微笑む



同じく
俺の笑顔を見て優しく微笑む女



『……。』



本当によく似てる



この子を見てると



萌チャンと一緒に居た
少し前の昔の事を思い出す



それにしてもこの住所
達也の家の方面と正反対の場所…



『じゃあ着いて来て』



「は、はい!」



俺は道案内を始めた