達也に話したのは
俺の
身の回りで起こった
少し前までの出来事
『……。』
こんな話しをして
俺の頭はイカれてるって
思われるかもしれない。
でも目を覚ます気配のない
加奈の姿を見ていると…
そんな呑気な事言ってられない
「……。」
いつになく真剣な顔で
無言で話しを聞く達也
『突然こんな話して意味解らないと思うけど…全部本当の事なんだ。加奈チャンも…』
「要するに幽霊…いや、悪霊の仕業だってお前は言いたいんだな?」
『…うん』
「まぁ…俺、多少霊感のある人間だから信じられない事もないけど…でもその悪霊と加奈、どう言う関係があるんだよ!?」
達也の言う通り
関係が解らない
突然どうして加奈チャンが怯え出したのか
霊感が強いから?
だから俺と達也は見えなかった?
何かが見えて怯えたのか?
それにしても
加奈チャンって霊感あったっけ?
『……。』
「なぁ結城!」
『俺にも解らない。けど…』
「けど?」
『加奈チャンが何らかの形で俺を助けてくれたのは確かだ』
俺はそれ以上
何も言わずに
今来たメールを見せる
「助けてくれた…?」
メール画面の空白部分
そこにはいつの間にか
写真が表示されていて
「な、んだよこれ…」
俺と達也が見た写真..
それは
腕
足
腹
首筋
目玉
全身窓ガラスの破片が刺さり
血を流して倒れている俺の写真だった


