『この部屋全然変わってないな…』



「だろ?ぶどうとりんごどっちがいい?ごめんな、今これしかないみたいで」



『俺はぶどう』



「ほらよ」



『ありがとう』



「俺はりんご♪」



達也は
ジュースの蓋を開け一気に飲み干す。



「あ~美味い!やっぱ俺はりんごが一番好きだわ、結城も飲めよ?ぬるくなったら美味くないぞ?」



『あ、うん…』



「それよりずっと思ってたんだけどお前…左手、どうした?」



『あ、これはガラスで切って…』



「ふ~ん?」



『なぁ達也…』



「ん?」



『最近自分の身の回りで変わった事とかない?』



「は?」



『……。』



「変わった事な…そう言えば!3日前に風呂ん中で携帯水没させちゃってさぁ」



『水没?』



「次の給料まで携帯買う金ないんだよ~最悪だろ?携帯依存症の俺が携帯持ってないなんてさ」



『え?3日前って…昨日留守電入れ…』



「ああ、昨日は加奈に携帯借りて電話したんだ♪あ~やっぱ自分の携帯がないと不便だよなぁ~」