その日の夕方..
退院手続きを済ませた結城は
「新、また飲みに来いよ、今度来た時うんとサービスするから!」
「あたしも… 大学辞めてお父サンの店で働く事にしたんです…だから刑事サン…良かったら遊びに来て下さい。先日は本当にありがとうございました」
マスターも美沙も俺に明るく
振る舞っているようだけど…
目の下のクマに疲れきった顔
何より奥さん (母親) を亡くした
笑顔が引きつり作り笑いもバレバレ
『ありがとうございます。2人共…あまり寝てないでしょう?ゆっくり休んで下さい』
大切な人を失った悲しみが
どれ程辛い苦しみなのか…
俺の言葉に対し
無言で笑うマスターと美沙
『じゃ、また顔出します…』
2人に頭を下げ簡単に挨拶したを結城は
病院を出て
自分の家へ
『そう言えば携帯…』
家に帰る帰り道
俺は自分の携帯が
ない事に気が付き
服のポケットを探る。
『あ、あった…!』
結城が携帯を見るのは
あゆブログを検索して以来
『……。』
充電がほとんどない
携帯を取り出し
履歴を確認する
『……。』
着信歴は1件。
全く見た事のない
知らない番号から
『しかも留守電まで入ってるし…』
一体何の用件だろう?
結城は
用件を聞く為に
留守電を開いた


