「あたしもよく解らない」



『…解らない?』



「ドアをノックする音がしたから… 開けたの。そしたらお母サンが居て…で…あ、あたしの腕を…もの凄い力で引っ張られて…」



『……。』



「目がいつものお母さんじゃなかった。無我夢中でドアを閉めて…そしたら…部屋に知らない赤い服の女が…」



『赤い服‥』



「はい…刑事サンが部屋に来てくれなかったらあたし…」



思い出し震え出す美沙



『美沙チャン…もういい、話してくれてありがとうね』



解った。


美沙を襲った犯人は
もしかしたらあの女



そんな事を考えながら
震える美沙に対し背中をさする



「刑事サン、あの…」



「新~看護士連れて来たぞ!」



美沙の言葉を遮り
看護士を連れて病室へ戻って来たマスター



『あ、マスターわざわざすみません…』



「結城サン気分はどうですか?少し様子を見て退院手続きさせて貰いますね」



『あ、ありがとうございます』