ライターの火は
ヘアスプレーによって大きく燃え上がり



フランス人形の髪を勢いよく燃やす



ヤメロ



ヤメロ
ヤメロ



『……。』



苦しむ


フランス人形の背後にまとった黒い影が



消えた瞬間



‐ ボトッ ‐



鋭い尖った歯を
むき出しにした



フランス人形は元の姿に戻り



『マスター!?』



「お父サン大丈夫!?」



ゆっくり床に落下した



「…大丈夫」



「お父サン… 終わった? 本当に良かった…終わったんだよね?お母サンは… 」



終わった?



いやまだ終わってない



逃げたんだよ。



あの黒い影が何だったのか
アレを突き止めるまでは…



「新…ありがとな、体を張って娘を守ってくれて…」



『いえ、俺は何も…』



「け、刑事サン!?」



意識が朦朧とする中



睡魔に必死で耐える為
血を流し過ぎた俺は..



とりあえず一段落して



「新!?」



安心しそのまま意識を手放した