「お父サ…」



「美沙… 部屋から出られる様になったか!お母サンにおつかい頼まれて醤油買って来…」




階段を下り
玄関に来た



血だらけの


結城と美沙の姿を見て
目を見開き黙り込む。



「美沙…お前…う、腕…」



「お父サンこれは…」



「新がやったのか?」



「お父さん…ち、違う…刑事サンも怪我してるんだよ!これはお母サンが…」



‐ ガチャ ‐



リビングのドアが開く音が聞こえ



「お母サンが…」



黙り込み震えながら
マスターに抱き付く美沙



ギシッ



ギシッ



玄関に近付いて来る足音



「新…一体何が…」



『事情は後で説明します。 美沙チャンの事…絶対に離さないで下さい』



「…わ、解った」



ギシッ



ギシッ



ギシッ



「美沙… 美沙…」



娘の名前を何度も呼び



片手に包丁を持ったまま
玄関に来たマスターの奥サン



「お前が美沙を…」



「あなた… お願い信じて… あたしじゃないの…あたしじゃ…」


マスターの奥サンの体は
ガタガタと震えていて…



先程と様子が違う?



そんな風にも見える