『……。』



部屋の前に来た俺は
数センチだけドアを開け



とりあえず
中の様子を伺い呼吸を整える..



『何だよ、アレ…』



俺が見たのは



壁に持たれかかり
怯える美沙の前に



黒い煙りの様な
モヤモヤした人影が立っていて



「や、やだ…止め…来ないで…」



‐ ガチャ ‐



結城は慌ててドアを開け部屋の中へ入る



「刑事サ…」



え?



俺が部屋の中へ
入ったと同時に



消えた黒い人影



『美沙チャン…大丈夫!?』



「……。」



千切られた右手から
大量の血を流しぐったりする美沙…



『美沙チャン…止血、しないと…』



「棚の上から2番目の引き出しにタオルが…」



2番目の引き出し
2番目の引き出し



引き出しを開けタオルを1枚取った



その時



棚の上に置いてあった
フランス人形の姿がない事に気付く



『美沙チャン、ごめん…ちょっと痛むかも…』



「い、痛…くうっ…」



結城は美沙の右腕を力一杯
タオルで縛り止血した。