「…どこへ行くの?」
『……。』
手からポタポタ血が流れる中
キッチンへ来た俺は
食器棚に手をかけて
ゆっくり立ち上がり
ある物を探す
「何を探しているの?」
俺を追いかけ
キッチンに来た奥サンは
口の周りにべっとり付いた
赤い血を舌で舐めながら
わざとらしく
ゆっくり
ゆっくり
近付いて来る
『……。』
俺が探している物
それは
塩。
" キャ… "
2階から美沙の悲鳴が微かに聞こえて
『美沙チャン…』
不気味に笑うマスターの奥サン
「結城サンも…逃げられないわよ」
早く2階に行かないと
美沙チャンが危ない…
『それ、は…どうかな…』
「は?」
イチかバチか..
俺は見つけた塩を
マスターの奥サンに対し
思いきり投げかける。
「なっ…ゔ…」
マスターの奥サンは塩を浴び苦しむ
その隙に
俺は美沙チャンの部屋へ急いだ


