『なっ…』
人が人の肉を食べるなんて
グチュグチュ
バキッ
グチュ…
気持ち悪い
『……。』
有り得ない光景
「…結城サンも食べたい?」
『誰が…食べる、か…』
意識が朦朧とする中
結城は珈琲が入っている
カップを思いきり机に叩きつける
‐ ガシャン ‐
大きな音をたてて
割れる珈琲カップ
「何をするつもり?」
結城は
マスターの奥サンに対し返事を返さず
左手でカップの破片を拾い強く握る。
『……。』
俺の手からポタポタと
流れ落ちる真っ赤な血
「…痛みで眠気を覚ますつもり?」
『今寝たら…何さ、れるか…解らないし…』
「……。」
この女
どれだけ珈琲に薬を入れたんだ?
少し飲んだだけで
この状況
全部飲まなくて
本当に良かった
俺はゆっくり後ずさり
意識が朦朧とする中這いながらキッチンへ


